【Age of Networks(AoN-DB)え~ちゃんぶろぐねっとわ~く】【脱稿】君待つ花 3/5

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【脱稿】君待つ花 3/5

【新呼球関係者公開】


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<メディスンサイド>

ゆうかおねーちゃんが帰った後、アリスはわたしを心配してくれたけど、ゆうかおねーちゃんの方が心配だった。
わたしにはアリスがいたけど、ゆうかおねーちゃんにはわたししか居なかった。
おねーちゃんは強いから自分の事は言わないけど、全部一人で抱え込んじゃうってこと?
それはアリスと同じ。辛そうな顔をしていた、アリスと。

おねーちゃんに会いに行こう!

アリスには悪いけど、おねーちゃんのところに。
ドアノブに手を掛け、開こうとするより先に扉が独りでに開いた!

「邪魔すr……って、うわあぁぁっ!!!」
「ひゃあっ!」

ゴンッ、と鈍い音が頭に響く。背中やおしりにも痛いのが広がって、むねが押し付けられるように痛い。
つよいいたみに、あたまが、ぼんやりする。

「あてててて……なんでこんなところにモノがおいてあるんだよ」
「何? 何の音?」

あれ? アリスのこえ……?

「あぁ、アリスか。こんなところにモノをおくなんてお前らしくないな。思いっきり玄関じゃないか」
「あ、ま、ま、まり、さ……」
「あん? 魔理沙さんがきてやtt」
「魔理沙のフケツ~~!!」
「えっ?! あっ、なんじゃk――」

アリスの大きな声と誰かの大きな声が頭に響いたと思うと、押しつぶされる胸の痛みと共に大きな、乾いた破裂音が頭に響く。
すぐに鈍い音を立てて視界が真っ白になった時、誰かが倒れたんだと理解する頃には鈍い音が鳴り響いていた。



「……で、誰が何だって?」
「いや、だから謝ってるじゃない」

弾み良い柔らかなソファーにアリスと並んで掛ける。
アリスが水で濡らしたタオルを、まりさ?と名乗った白黒の少女の赤く腫らした顔にペタペタと押し当てた。

「どこの誰が、玄関で乳繰り合ってたんだって?」
「いや、だからその、ごめんってば」
「あ~、痛いぜ。鼻の骨が折れそうだぜ~」

黒いのっぺらぼうの人はタオルとは別に、鼻先に氷嚢袋を押し当てて何を言ってるのか聞き取りにくいけど、とりあえず大丈夫そうで安心した。
あんまり酷かったらししょーに助けてもらおうと思ってたんだけど。

「ったく、私が飢えてるみたいじゃないか。オオカミじゃないぜ」
「そこまで言ってないでしょ。ほら」

アリスが換えのタオルを握らせると、烈火のような顔をした涙目が一瞬見えたけど、すぐにタオルに隠れて見えなくなった。

「おい、そっちの人形は新作か?」
「ああ、この子ね?」

アリスがわたしの髪の毛を梳かすように撫でる。
気持ちよくなって、目を伏せたらアリスは、ニコッと笑ってくれた。

「自己紹介なさい、メディ」

すごく優しい声だった。
撫でていた手は肩に優しく乗っていた。
高ぶった鼓動が、少しだけ落ち着く。

「め、メディスン・メランコリー……」
「メディスンか。ちょっと待ってな……」

タオルに隠れていた顔が露になる。
目元と鼻が痛そうなぐらい赤いけど、あごとか首筋とかはアリスの白磁にほんのりと赤い。
腕や足なんて、ちょっと掠ったような黒赤があって、てゐちゃんみたいな悪戯っぽいイメージ。偏見だけど。
顔はちょっと恥ずかしくて見れないけど、きっときれいなんだと思う。

「いつつ……霧雨魔理沙だぜ。魔理沙さん、と呼んでくれ」
「まりさ、さん……?」
「あ~……メディ、魔理沙の言う事は間に受けちゃだめよ?」
「うん」
「あっ、ひどいぜ! ……地味に傷ついた」

ムッ、として頬を膨らませた魔理沙さん?は、ごろんと上体を倒すとカオガハレター、とかアタマイテー、とか良くわからない呪文を唱え始めた。
大きな子どもが駄々っ子すると、まさしくこんな感じなんだろうなぁ、とまんが?とかいう絵文字の姿に重ねて少し噴出してしまう。
相変わらずアリスは取り付くしまもなく、何故か箒とチリトリを倫敦ちゃんに用意させた。

「コラッ、人を何だと思ってるんだ!」
「特殊有機性若しくは自立型人口粗大ゴミ」
「前者も後者も聞いた事ないぜ」
「どちらにしろ、迷惑よ。今は来客対応する気分じゃないの」
「シャゼツ、ダメ、ゼッタイ」

なんで片言なんだろう?
止まらない魔理沙さんの百面相と変わらないアリスの無表情が何だかおかしくって。
なにかよく解らない事を言い合って、理解出来ないわたしは、とりあえず痛む全身に傷が付いていないか確かめていた。

「まぁ、冗談はさておいて本当に何しにきたのよ?」
「ヒマ」
「帰れ」

0.3秒ぐらい。
アリスと魔理沙さんの付き合いが長いんだろうか、なんだかんだと言いながらアリスの表情もだんだん柔らかくなっていってるのが解った。

「折角図書館襲撃のお誘いを掛けてやってるのに、冷たいヤツだぜ」
「それって間接的にウチにも襲撃掛けに来たんじゃない。ドロボーならお役所に引き渡すわよ」

主に紅魔館とか、とアリスが付け加えると魔理沙さんはため息をこぼした。
う~ん、わたし空気だなぁ。どこか行ってた方がいいかなぁ。

「ところで、アリスの人形にしては規格外だよな。メディって」

魔理沙さんがわたしに視線を移すと頭に手を伸ばしてくる。

「ダメッ!」

と叫ぶと同時にわたしは魔理沙さんから一歩後ずさる。
私の性質は毒。普通の人妖が触れればあっという間に何らかの症状が出る。
……ししょーがわたしに言った事だけど、わたしの体は外部にはとても良くないリュウシ?が絶えず溢れ出ている。
無意識でもそういう体質だから恨む事も出来ないけれど。

「あ、いや、済まなかった。つい、同じノリでさ」
「あ、あの……」

なんと言うべきか、悪い事が見つかって怒られる前の子どものような、言い知れない感覚がわたしを包む。
節目がちに見上げた魔理沙さんも、ばつが悪そうに引き下げた手で後ろ頭を掻いた。

「違うわよ」

なんとも言えない空気を打ち砕いたのは怒るような、呆れるようなアリスの張る声だった。
掻いていた方の腕を引き、一見すると魔理沙さんを解放した。

「メディは生まれながらにして毒を内包しているの。人体に強い毒性の。そうね、黴や茸の胞子の類の毒素を散布している、とでも言おうかしら。
 何の毒かまでは解らないけど、砒素とか強酸の類じゃないわ。もっと別の何か。解るのは―」

アリスはそこで一度言葉を区切って、魔理沙さんに私を良く見るように促して、語気を沈めて言った。

「魔理沙はこの子に感謝するべきね。もし触ってたらアンタ、今頃永遠亭の布団の上よ?」
「げぇっ!」

魔理沙さんは急に席を立ち上がって自分の体を払う。
氷嚢袋が人形棚の方に弧を描いて飛ぶ―あ、西蔵ちゃんナイスキャッチ!

「おいおい! さっき玄関で派手にぶつかっちまったぜ!
 そんな毒素が体についてたら御陀仏だぜ!?」
「落ち着きなさい。毒蜂に刺されたわけでもないんだし、毒を発しているのはメディの体であって、空気じゃないわよ」
「うぇ~……うら若いこの歳で、まだ閻魔の世話にはなりたくないぜ……」

落ち着いて崩れるように魔理沙さん。
アリスはわたしの方を向いて、頭を撫でながら柔らかな微笑をくれた。

「もちろん、メディも故意に毒を出してるんじゃないわ。そういう体質なのよ」
「あぁ、それは解ってる。……が、アリスは大丈夫なのか?」
「人間ほどヤワな肉体じゃないわよ。メディが抑えている毒ぐらいじゃ妖怪の体にはさほど影響がないみたい」
「空気感染とかしないのか?」
「あんた、メディを栽培出来る毒薬みたいに思ってない?」

胞子と喩えた私も悪かったけど、と付け加えて、魔理沙さんに怒気を向けるアリス。
魔理沙さんの目はずっとわたしに向けられていた事に気づく。

「いや、毒で思い出したんだが、地霊の妖怪に似たような事をした奴が居たじゃないか?」
「土蜘蛛の黒谷ヤマメだっけ? ……それがどうかしたの?」
「あいつは“感染症”……メディの毒ってなんだろうな、と思ってな」
「さぁ?」
「さぁ? って、お前メディのマスターだろう?」
「違うわよ」
「なんだって?」

くりくりっ、と丸い薄碧色の瞳にわたしの顔が映る。
近い近い、とアリスに促されてわたしの顔が見えなくなった。

「そもそも、メディは私が預かってるのよ。
 元々は月の薬師……というより花の妖怪が保護してたらしいんだけど、広い世界を学ばせてやってくれって頼まれてね」
「本当にアリスの人形じゃないのか?」
「ええ。何なら試してみる?」

アリスに牽かれて蓬莱ちゃんが飛ぶ。
アリスの前で静止したかと思うと、空になったカップに紅茶を注ぐ。

「それじゃ解らんぜ。まぁ、疑ってみたところで解りようがないんだが」
「どっちなのよ」
「信じるしかないだろう? アリスの人形であろうとなかろうと、メディはメディ。それでいいじゃないか」
「さっきと全然違うこと言ってるじゃない」
「言ってないぜ」

はぁ、と今日何度目か解らないアリスのため息を見た。

「でも、アリスはメディの毒について詳しく知らないのか?」
「? えぇ……薬師に聞いたぐらいでしか」
「で、自律しているから魔力は要らない」
「メディは渡さないわよ」
「……誰もそんな事言ってないぜ」
「今の間は何よ?」

二人のやり取りが面白くって、思わず噴出してしまう。
まるで打ち合わせされていたコントを見ているようで。

「メディに変な誤解されちゃうでしょうが」
「事実じゃないか」
「あのねぇ……いや、まぁいいわ」

おほん、と咳払いを一つしてから、アリスはわたしを膝の上に抱いてくれた。
さっきより魔理沙さんとの距離が近くなって、わたしは放出される毒量を更に抑揚しようと試みる。

「もし魔理沙の家にメディを預けたとしたら、この子はどうやって生活すると言うのかしら?
 あのガレキの山にでも寝かせると言うつもり?」
「ガレキじゃないんだぜ。色々な場所から萃めた」
「まるで物置ね。それとも産廃所?」
「失礼なヤツだな。宝の山と言え」
「私にとってもメディにとって宝の山だったら、今からにでも押しかけてあげても良いわよ」
「汚い部屋で良ければな」
「ほら、汚いって自覚があるんじゃない!」
「お前は世辞を知らないのか?」
「貴女が言ったのは世辞じゃなくて事実よ」

鈴仙ちゃんとてゐちゃんも言葉で弾幕を交わしていた気がする。だから、きっと二人も言葉の弾幕で遊んでいるんだろう。
際限なく放たれるカウンターが、わたしにはそう見えた。
実際の弾幕も見た事はあるけど、その時は私が必死だったから楽しむ余裕がなくて。

「アリスと魔理沙さんって仲がいいんだね」
「「はぁっ?!」」

すごく驚いた顔と声を出されて、逆に私が萎縮してしまったぐらい。

「冗談じゃないわ。ガサツで乱暴者で自分勝手で、キノコ好きの単細胞のどこが!」
「笑えないぜ。こんな根暗陰険人形フェチの独善宗教の教祖みたいなヤツなんか!」

二人とも、お互いの事をよく見てるんだなぁとわたしは思ったんだけど。
程なくして、(何故か)本物の弾幕ごっこに派生するんだけど、私を慰めてくれるはずだったであろう人形たちは、あわれ怒り狂ったアリスに全弾投入されるはめになったのは私以外知る由もない。

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